群青の隘路に

喚き散らかす

私の耽溺を、もう一度鮮やかに目覚めさせて

 お久しぶりです。ブログを更新したのは少し前のつもりでいたのに、日付を見たら二ヶ月も前のことでした。またはてなブログに死んだと思われてる。生きてます、性懲りもなく。

 この頃はスパークに向けて二冊分の原稿に追われたり(どちらも無事に発行できました、ありがとうございました)、それが終わってからもフォロワーさんにプレゼントするコピー本を作ったりweb企画に寄稿したり、あとは支部更新をせこせこやっておりました。おかげさまでスパークの戦利品をきちんと読めていません。でも10月中にもう一本くらい支部に上げたい小話あるんですよね……10月あと一週間くらいしかないけどね……。

 さて、そんな中で私がまたブログを更新したのは、つい昨日『おそ松さん on stage ~SIX MEN'S SHOW TIME~』(以下松ステ)を観劇してきたからです。そのことについていてもたってもいられず、ただだらだらとよしなしごとを書き連ねておきたくなったからです。アニメ『おそ松さん』の感想を書いていた頃のように時系列順で細かく書けない(松アニメの感想は録画を何回も見返して整理して書いていました)ので、支離滅裂であるかと思いますが、暇潰しにして頂けたら幸いです。

 

 

 そもそも私は、2.5次元舞台というものに対する興味や関心があまりない人間でした。手の届かない敷居の高さを感じていたし、作品ファンと俳優ファンが入り混じる構成上何かと炎上が多いものと偏見を持っていたし、俳優沼はまったく知らないけれどカノバレやら何やらで殺伐としてそうなイメージがあったし……。周りに2.5次元舞台→俳優沼へシフトしていった友人が何人かいたこともあって、「何か深入りしたら怖そうな世界だな」と聞きかじった情報から先入観を抱いていたのです。

 そんな中で、『おそ松さん』の舞台化が発表されました。売れているジャンルが舞台化することはもう驚くようなことではありません。いやらしい話、舞台化は確実に客層を増やしながら収益を得られるメディアミックスだ(と私は思う)からです。私はそれに「ですよね、まあ順当だよね」と思いながら、どこか他人事のように構えていました。『弱虫ペダル』や『刀剣乱舞』のように派手なアクションシーンがあるわけでもないのに、舞台化して何をするんだろう。そんな呆れにも似た感情を持っていました。どうせ行かないだろうな、と思っていたことも大きかったと思います。

 しかし縁は奇妙なところにありました。かれこれ4年近く懇意にしているフォロワーさんが、東京公演のチケットを当選させて「一緒に行こうよ!」と誘ってくれたのです。香川からはるばる来てくれるその人に会いたいのもあったし、舞台に対して一歩引いていたとはいえ、誘われているものを断るほど嫌悪しているわけではありませんでした。だから私は(今思えばとても失礼ですが)なかば怖いもの見たさのような気持ちで、そのご厚意にあやかって松ステに行くことを決めたのです。人生初の、2.5次元舞台でした。

 

 その「怖いもの見たさ」が「純粋な期待」に変わったのは、実に単純な二つの理由からでした。ひとつは先立つ大阪公演を見てきた人の「結論から言うと何もしてなかった!」というネタバレにならない前情報。そしてもうひとつは、松ステの脚本家の中に、私が高校時代からゆるく追っていた方がいらっしゃったから。私は高校生の頃演劇部に入っていて、その縁故である一つの劇団を観劇して以来、ずっとそこの虜になっていました。名古屋を拠点にしている「劇団あおきりみかん」さん。そこで脚本を書いている鹿目由紀さんが、松ステの脚本を担当することを知ったのです。私は掌を返しました。鹿目さんの本なら、絶対に面白いに違いない。私は鹿目さんが描くあおきりみかんの舞台で、これまで何度も笑って考えて苦しんで楽しんできました。その方が松の世界を描いて、面白くないわけがない。 前者の感想から「世界観が壊れるような大きな事件は起きない、舞台を見た人にしかわからない特殊設定は生まれない」という安心感はすでに得ていました。私は期待に胸を躍らせ、観劇マナーのことだけを心配しつつ、当日を迎えました。

 

 そんな経緯で迎えた当日――観劇を終えて出てきたのは、「松ステ、最高だった」の一言だけでした。

 アニメをリアタイ視聴していた時の、振り回されてげらげら笑って、記憶が混濁させられるあの感覚。それがまた、舞台を見て与えられたのです。ひたすらに面白かったし楽しかった。アニメのこぼれ話集のような感じで、ぽんぽん小話が進んでいく。何もしていない、だからこその『おそ松さん』。 期待通り、期待以上の最高の舞台でした。役者さん達は声も背格好も違うはずなのに、確かにそこには「実写に落とし込まれたキャラクター」がいました。話し方や声の出し方、イントネーション、間……それらが誠実に再現されて、そこには確かにキャラクター達が存在していました。それでいて、役者さんにしか出来ないところは個性豊かに長所を生かす。それがキャラを壊すことなく、「舞台作品としてのおそ松さん」を完成させていました。特に一松や十四松、トト子ちゃん辺りは、聞いているうちに本当に「福山潤の声帯を持つ松野一松」「小野大輔の声帯を持つ松野十四松」「遠藤綾の声帯を持つ弱井トト子」がそこにいるかのように思われたのです。声が似ているはずじゃないのに、似ている? と錯覚してしまうような。

 また、舞台の六つ子は仲良し感がすごかった。カラ松はちょこちょこスルーされるところもありましたが、アニメの時のような容赦のない感じがしなかった。トド松はカラ松にとても懐いている感じがしたし、一松は相変わらず「お前ここでもカラ松のこと好きな……」って思うくらいには発言を拾っていたし(「とくと見てやるぜ!」でテンション上がるの最高に可愛かったです)。パーカー松のカラ松に対する「お前はうんこです」「……お前は本当にうんこです」がめっちゃおもしろかったです。あれだけくどくどハンサム! って言ってたらそりゃうんこ言われるよね。というかこれは舞台特有のことだと思うのですが、話しているキャラや焦点を当てられるキャラだけが画面に映されるアニメと異なり、舞台では誰かが話している間に黙っているキャラが何をしているかが見えます。だからこそ好きに動いている彼らを見られるのが楽しかったし、可愛かったし、眼球はあともう二つずつ欲しかったなあと思いました。だからこそ、カラ松がちょっとスルーされたりするところもそこまで悲しい感じがしない。なぜなら観客は、黙っている時のカラ松の一挙一動を見ているからです。痛々しいくらいにかっこつけているのを見ているからです。そんなところも可愛いけど~~~~!!!!

 カラ松はいちいちキメキメで身体能力高くてギターガチで弾けて一松に対して対等な感じがしてもう本当に最高でした。あとトト子ちゃんに「ヤらせてくれ!」っていうシーン、女の子に劣情を催すという事実に勝手に私が興奮しました。一松も本当に可愛くかったです。数字がめっちゃ仲良ししてたり、カーディガンを頭に巻いて出て来るところで笑って何も言えなくなっちゃったり、あとお尻本当に出してて悲鳴を上げました。飲みのシーンでこそこそ仲良くしてる色松とか、カラ松を庇って応戦する一松と一松抱き留めて抑えさせるカラ松とかあのね本当ね……ありがとうございました。

 他にも可愛いところあったんですけど記憶が曖昧で申し訳ないです。いかんせん色松定点で見てしまっていたのですけれど、もう皆可愛かった……。チョロ松はなんだかすごく温和で良妻賢母みたいな感じがしたし、おそ松兄さんはチョロ松のこと軽率に抱き締め過ぎだし(すき)、十四松は本当に無邪気なんだけどちょっと毒があって(末松の「トッティいらないぜ!」「ふざけんな!」可愛かった)、トド松もドライさがあんまりなくて素直に可愛い末っ子って感じでした。あとイヤミチビ太ハタ坊トト子ちゃんも! 叫んでビブラートきかせたりとかすごかったです……トト子ちゃんは声の張り方がマジで本物だった……。

 それからF6!ちょこちょこ合間に入って歌って踊ったり小ネタやったりするの本当に可愛かったです。トト子ちゃんと秋のラブロマンスする話が最高に面白かったし、あと時限爆弾の天丼ネタとかも面白かった!えふしでも色松濃厚に絡んでました。私はえふし肉が大好きなのでずっとカラ松を見てたんですけど、挨拶の時とかにブスども! って怒鳴られてあっさりメス堕ちしました。オラオラ系は全然「受けだね~~」って思ってたクソ腐女子なのですが、実際にああしてカラ松に怒鳴られたら従属するしかないのだなと思い知ることが出来ました。受けだけど。通常のおそ松兄さんが「ここのお客さんすごいね~? ブスでキャー! ケツ見てキャー! だもん。わかんないな~」って言ってたのがその通り過ぎて笑いました。でもキャーって言うよ……興奮するよ……。その挨拶でえふしカラ松の「返事はハイだろブスども!」という罵声に対して通常一松が「はーい」って手を挙げたのにも心底叫びたくなりましたし、その後カラ松同士で「カラ松ガールズにブスって言うな!」「うるせえ青いブス!」「……初めて言われた……」っていうやり取りをしてたのも最高にキュートでした。私は何を見ているんだ……夢か夢なのか……?

 あとは舞台セット。スポットライトが六色なのも可愛いし、雲が松の形をしているのも可愛い。家の中を表した二階建てのセットはまるごと回転する仕組みなのですが、その裏面に映像を投影して様々な世界にしていたのが素敵な演出だなあと思いました。オープニングや劇中劇、ダンスや歌、エンディングも全部よかった……。最後の方でセットの壁に「つづく」って書いてあったのは、再演や続編があると解釈してよいものでしょうか……!? あとエンディング後には役者さんが客席を走ってきてくださるのですが、通路側に座っていたこともあり、何人かの方とタッチすることが出来ました。素直に興奮したし感動した……!!別に誰推しというわけではないのですけれど感動しました。一瞬のことで記憶が混濁していますが、確かパーカーのおそ松兄さん・チョロ松・トド松とえふしのカラ松はハイタッチ出来たと思います。パーカーカラ松も来てくれたのですが私の反応が遅れたのでタッチはせず見送ってしまいました。いやでもこんな近くに来るのマジか~~~!!!!!ってキャパオーバーを起こしていました……。

 

 最高に楽しい舞台でした。作品そのものが面白い上に、可愛いところ興奮するところもばっちり押さえてくださった最高の時間でした。やっぱり私は演劇が好きで、そして『おそ松さん』が好きなんだなと再認識しました。フェス松の時には感じていなかったロスが、今になってじわじわ来ています。ずっとアプリゲームや派生やらで食い繋いでいましたが、やっぱり私は、原作アニメ軸の六つ子が好きなんだ……!

 間もなく千秋楽でしょうか。私は結局当日券チャレンジもライビュ戦争も出来なかった人間ですが、最後まであの世界が輝いていることを祈っています。

 DVD、買う。